入管庁データから見える広島県の外国人最新動向
3月27日、出入国在留管理庁より、令和7年末時点の在留外国人統計が公表されました。本記事では全国の傾向を概観したうえで、広島県の特徴について分析し、広島県の外国人政策の課題を探ります。
全国の在留外国人の傾向
まず、昨年末の在留外国人数は4,125,395人となり、初めて400万人を突破しました。
国籍別では、中国(23%)、ベトナム(17%)、韓国(10%)が上位を占めています。特に近年はネパール、インドネシア、ミャンマーからの増加が顕著です。
在留資格別では、永住者(23%)が最多で、続いて技術・人文知識・国際業務(12%)、留学(11%)、技能実習(11%)、特定技能(9%)となっています。中でも特定技能は前年比37%増と大きく伸びており、人手不足を背景とした受入れの拡大がうかがえます。
都道府県別では、東京都、大阪府、愛知県の三大都市圏に外国人が集中しています。
広島県の特徴:全国との「ズレ」
広島県の在留外国人数は72,628人で、前年比7.1%増と全国平均(9.5%)をやや下回っています。
国籍別では、ベトナム(22%)、中国(17%)、フィリピン(16%)の順となっており、ベトナム人比率の高さが特徴的です。
在留資格別では、技能実習(22%)、永住者(21%)、特定技能(17%)が上位を占めています。
ここで注目すべきは、技能実習+特定技能で約38%を占める点です。これは全国と比較しても高く、広島県ではいわゆる「現業系労働」における外国人依存度が高いことを示しています。
広島に技人国が少ない理由
一方で、「技術・人文知識・国際業務」は3,939人(約5%)にとどまり、全国平均(12%)の半分以下です。
この背景としては、
・製造業中心の産業構造
・外国人を受け入れるホワイトカラー職の不足
・都市部(東京・大阪)への人材流出
などが考えられます。
つまり広島県は、「ブルーカラー中心の外国人受入れ構造」であると言えます。
広島県の外国人政策の課題
広島県における外国人受入れは、技能実習や特定技能といった現業系人材に大きく依存しており、このブルーカラー中心の産業構造は日本人の若年人口の流出にも影響を与えていると考えられます。実際に広島県はここ数年、若年人口の転出超過が続いており、さらに外国人留学生についても卒業後に県内で就職する機会が限られていることから、東京や大阪など都市部への流出が生じています。この背景には、製造業中心の産業構造や大卒人材向けの雇用機会の不足といった構造的なミスマッチがあり、今後は大卒者や留学生が魅力を感じる雇用の創出が重要な課題となります。
一方で、既に県内で就労している技能実習・特定技能人材の定着も不可欠であり、出入国管理及び難民認定法や労働関係法令の遵守はもちろん、適切な労働環境の整備や生活支援体制の充実が求められます。技能実習に代わり、来年4月より施行される育成就労制度では転籍が可能となります(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。法令違反のある職場では人材は定着せず、むしろ流出を招く要因となるため、今後の外国人政策においては「高度人材の受入れ拡大」と「現業人材の定着支援」を両輪として進めていくことが重要です。
行政書士もりた国際法務事務所では広島県での在留資格に関する相談を受け付けております。外国人雇用や在留資格でお困りの企業様はお気軽にご相談ください。
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