2026年の外国人政策の見通し|在留・就労・企業対応の最新ポイント解説

昨年、政権交代以降、日本の外国人政策は転換期を迎えています。
そこで本稿では、2026年以降に予定されている外国人政策の動向について、現時点で判明している情報を整理しつつ、今年どのように推移していくのか、また今の段階で留意すべき点について行政書士の視点から解説します。

現業系就労資格の受入れはこれまで通り

昨年末、現業系就労資格である「育成就労」および「特定技能」について、受入れ上限数を123万人とする有識者会議の案が示されました。それによると、2027年4月よりスタートする「育成就労」の受け入れ枠は43万人とし、28年末までに82万人としていた「特定技能」の上限は80万人とやや減らされたものの、おおむねこれまで議論されてきた方針を踏襲するものといえます。

育成就労とは

2027年4月に開始予定の「育成就労」は、これまでの「技能実習」に代わる新制度です。
最大の特徴は、3年後に「特定技能1号」へ円滑に移行できる制度設計となっている点にあります。

人材育成と人材確保の両立を目的としており、一定の条件を満たせば転籍も可能となります。一方で、育成就労から「特定技能1号」へ移行する際には、日本語試験および技能評価試験への合格が必要となります。これは、技能実習からの移行では原則求められていなかった点であり、大きな変更点といえるでしょう。

各分野の受入れ上限数

今回報道された、特定産業分野および育成就労産業分野を合算した分野別の受入れ上限数は以下のとおりです。分野ごとに受入れ人数に大きな差が見られますが、背景には人手不足の深刻度に加え、業界団体による要望や影響力の違いもあると考えられます。

分野受入れ上限人数
工業製品製造業319,200人
建設199,500人
飲食料品製造業194,900人
介護160,700人
農業99,600人
外食業55,300人
ビルクリーニング39,500人
造船・舶用工業36,900人
自動車運送業22,100人
宿泊20,000人
自動車整備19,300人
物流倉庫18,300人
漁業17,400人
リネンサプライ7,700人
木材産業6,700人
航空4,900人
資源循環4,500人
鉄道4,000人
林業1,400人

※自動車運送業と航空は特定技能のみ。

身分系在留資格・その他の就労資格は厳格化の方向へ

現業系就労資格については、上記の通り、今後数年間はおおむね現行方針が維持される見通しです。
一方で、「永住」や「帰化」といった身分系の在留資格、「技術・人文知識・国際業務」といった就労系在留資格については、要件が厳格化される可能性が高いと考えられます。

例えば、今の段階では

  • 永住許可における日本語能力要件収入要件の追加
  • 帰化について、現行の「5年以上」から「10年以上」程度の在留実績を求める方向性
  • 「技術・人文知識・国際業務」では業務内容についてより厳格に審査する方針

などが検討されています。

その他、検討が進んでいる主な動き

現在、次のような施策も検討されています。

  • 在留手続きにかかる手数料を欧米水準まで引き上げ(こちらの記事をご参照ください)
  • マイナンバーと在留カードの連携強化
     → 税金・社会保険料の未納がある場合、在留資格の変更・更新を認めない
  • 「留学」などの在留資格において、空港等で原則認められてきた資格外活動許可の運用を厳格化
  • 永住や在留審査時に、日本の文化やルールを学ぶ研修の受講を義務化

まとめ

これまでの動向を見る限り、現業就労系の在留資格は従来の方針を概ね踏襲する一方で、身分系や留学などの在留資格については管理が厳格化される流れにあります。

もっとも、これは単なる締め付けではなく、「日本社会に定着し、共に生活していく意思と能力があるか」を丁寧に見極める方向へ進んでいるとも言えるでしょう。真面目に生活し、法令を守っている外国人の方、また適正に外国人を受け入れている企業・団体にとって、過度に不安を感じる必要はありません。

外国人政策は今まさに転換期にあり、今後も状況は変化していきます。そのため、正確な情報を把握し、早めに専門家へ相談することが将来のリスク回避につながります。

なお、政府の外国人政策に関する基本方針は、今月中にも取りまとめられる予定です。

行政書士もりた国際法務事務所では、外国人雇用や在留資格に関するご相談を承っております。
初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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